電力自由化の経緯
2000年3月より特別高圧電力(2000Kw以上)、2004年4月には高圧電力(500Kw以上)、2005年4月高圧電力(500Kw未満)の電力自由化がスタートを切っていたことは既にお話をさせていただきました。これは、高圧部門のみであり、官公庁の施設や大型工場やオフィスビルなど事業所向けに特化されたものでした。
電気料金を削減された代表的な事例
高圧部門の電力自由化がスタートして既に16年強経過していますが、電力自由化によって電気代削減に成功された事例は多々ございます。その中の代表的な一例をご紹介させていただきます。政策的によく考えられ、成功した事例として東京都の立川市が挙げられます。 新電力の導入事例の中では「立川モデル」と言われ、よく知られています。代表的なのが、市が運営する立川競輪場への2010年度からの新電力の導入です。 立川競輪場の電気の購入先については、東京電力も含めた入札を行い、その結果、一番安い料金を提示した新電力が落札しました。 競輪場は大きな施設で、契約電力が大きいですが、使用期間が限られているため、電気代削減効果が大きいです。 電気料金は東京電力と契約を継続していた場合と比較し、26.5%減の約4600万円(年間)となり、初年度から大幅な削減となりました。電気代削減効果を実感した立川市はその後、消費電力パターンの似た施設である、小中学校、公共施設、競輪場のグループを作り、二酸化炭素排出量など温室効果ガスを勘案したうえで入札し、それぞれ異なる新電力と契約を行い、新電力の導入を53施設に拡大しました。こうした動きは、東京電力福島第1原発事故を機に全国的に拡大しています。今回は、電力自由化による高圧部門において、成功事例をもとに新電力に切り替えした場合の、値下げメリットについてお伝え申し上げました。
新電力切り替えによる電気代削減と環境への配慮
このように、新電力には電気代削減効果が期待できることは勿論ながら、温室効果ガスの排出量の減少など、環境への配慮も可能となるなど、大手電力会社と比較し優位性があるため、今後ますます普及していくことと考えます。