電力自由化によって電気料金を安くできる可能性もあれば、安くならないケースもあります。
電力自由化によって新電力に切り替えれば、全て電気料金が安くなるわけではございません。あくまでも、現在ご契約中の一般電力会社との過去1年間のご利用状況を確認させていただき、新電力に照らし合わせ電気料金の値下げができる可能性があるのかを追求いたします。そして、ご利用状況と新電力のご提案するプランがマッチングすれば電気料金が安くなります。
電気料金を安くできる可能性を追求する場合、大きなポイントとなるキーワードが「負荷率」となります。
電気事業者にとっては、安定供給と効率の良い電源(発電所)の運用に関わる重要な指標であるのが「負荷率」です。需要家(利用者)にとっても、負荷率を把握することにはメリットがございますし、「負荷率」の高い需要家(利用者)ほど電気料金の単価が安くなるのが通常なのですが、逆に新電力の恩恵を受けるのは、より「負荷率」の低い需要家(利用者)だと言えます。
電力用語である「負荷率」とは。
電力用語である「負荷率」とは、ある期間における平均電力と最大電力の比率を表すものです。 年間を基準として、月毎の格差(変動の大きさ)を掌握する目的と、 1日を基準として昼夜の格差を掌握する目的として使われます。「負荷率」の計算は次の計算方式において行います。年間負荷率=過去12ケ月使用電力量(kwh)÷8760h(365日×24時間)÷契約電力(kw)、日負荷率=月次使用電力量(kwh)÷24時間÷契約電力(kw)となります。是非とも貴事業所でも「負荷率」を求めてみてください。
一般電力会社と「負荷率」について
「負荷率」はその値が大きい(高い)と、利用期間中の電力需要の変動(契約電力と使用電力量の差)が小さいことを示します。火力発電のように一定の出力で稼働し続けるため効率が良い電源(発電所)を多く保有する一般電力会社にとっては、需要家(利用者)の「負荷率」が高いほど電力の単価を安く抑えることができます。天候などで大きく変化する「負荷率」は一定に保つことは難しく、日本全体の年負荷率は55〜65%の間で毎年変動しています。一般電力会社は多くの場合、「負荷率」の高い需要家(利用者)に向けてお得に設定された料金プランが用意されています。
新電力と「負荷率」について
新電力によっては、保有電源(発電所)の規模が限られていたり、電源(発電所)自体を持っていない場合もあります。その場合、他の電力事業者や卸売市場などから余剰電力を購入して利用者に販売し、調達価格と販売価格の差益を儲けとするのが新電力の主なビジネスモデルと言えます。この場合、電力の調達単価が高い場合があるので「負荷率」が低い需要家(利用者)の方が、安く料金設定が提示できる可能性か高くなります。例えば学校や公共施設などは、1日のうち限られた時間しか電気を利用しないうえに、土日祝祭日は大幅に使用電力量が下がります。さらに言えばもともと余裕を持った電力契約をしていることが多く、「負荷率」がかなり低くなっていると予想されます。こうした場合、新電力への切り替えで電気代削減に成功する場合が多いと言えます。
電気料金が下がるには「負荷率」を追求していくことが必要です。
電力自由化によって電気料金を安くするポイントは、「負荷率」が低い需要家(利用者)であることがご理解いただけたと思います。どなたでも「負荷率」を求めることは可能ですし、ご自身の事業所などまずは「負荷率」を知ることをお勧めいたします。「負荷率」が低いということを知ることができれば、電気料金が下がる可能性があります。一緒になって電気料金が下がるのか追求していきませんか。